感染症学会発表

日本感染症学会 所属
開発者 山田修教授

【演 題】非酸化物セラミックを含む水溶液のMRSAおよびVREに対する抗菌特性と安全性評価
【概 要】AMRは国内に留まらず世界的な問題となっており,新規抗菌薬が求められている。特 に耐性化が起こらないような作用機序を有する抗菌薬が望まれている。今回 ,セラ ミックス粉末を投入した水溶液(セラミック水)が各種バクテリアに対して優れた殺 菌能を有することがin vitro試験で分かった。このセラミックスは燃焼合成という方 法で合成され,天然には存在しない炭化チタン(TiC)のような非酸化物セラミック法で合成され,天然には存在しない炭化チタン(TiC)のような非酸化物セラミック スからなる。これを入れたセラミック水には,各種ラジカルが含まれる。特に炭化物 セラミックスの構成元素である炭素(C)に由来するメチルラジカル(・CH3)がヒド ロキシラジカル(・OH)と共にESRにより同定された。このラジカル産生に必要なエ ネルギーは導電性を有するTiCから与えられる。このセラミック水にMRSAを7×10E5/m L接種した3時間後には10/mL以下まで減少し,VCMより強い殺菌作用を示した。VREの 場合,6×10E5/mL接種した3時間後には100/mL以下まで減少し,LZDより強い殺菌作用 を示した。安全性に関して遺伝子毒性としてAMES試験および小核コメット試験を行い ,いずれも陰性(無毒性)であった。今後,抗菌活性のより詳細な作用機序解明をさ らに進める予定である。

https://osu-japan.com/archives/303

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